12月13日に行われた分野横断アーティスト登壇シンポジウムのレポートが公開されました
<シンポジウム レポート>
国際的な活動を志向するアーティストの「生存戦略」を主題に、本シンポジウムでは、音楽・美術・科学といった異なる分野と世代で活躍する登壇者が一堂に会しました。司会は渋谷慶一郎が務め、池上高志氏、今井慎太郎氏、梅津庸一氏、齋藤帆奈氏、布施琳太郎氏が登壇。創造性と経済性といった、アーティストにとって不可避でありながら、これまで公の場では語られにくかった制作と資金をめぐる問題についても、率直な意見が交わされました。
冒頭では、「主張を支える論理や哲学をもって議論すること」「衝突を恐れず率直に語り合うこと」といった、国際的に活動するための前提条件が掲げられ、それを単なる理念としてではなく、本シンポジウムの壇上で実践することへの期待が共有されました。助成金をはじめとする資金源については、創作に与える影響や潜在的なバイアスを踏まえ、積極的に活用する立場と一定の距離を保つ立場の双方から意見が示されました。さらに、助成金制度を通じて評価者や価値判断が構造化されていくことが、創作やキャリア形成にどのような影響を及ぼしうるのかについても、重要な論点として提示されました。
後半の生成AIをめぐる議論では、AIを新たな楽器や脳の拡張と捉える視点、オリジナリティを問い直す視点、過渡期にある社会現象として受け止め、人間の生活や創作にどのように位置づけていくのかを探る視点が多角的に示されました。主観・意識・無意識、さらには人類が共有してきた集合的無意識がAIによって更新され得るという観点から、今後の創作の前提そのものが揺さぶられました。
議論はあえて一つの総論へと回収されることなく、オーディエンス一人ひとりが自身の判断軸を再考し、今後どのように創作やキャリアと向き合っていくのかを考える契機となりました。
(レポート執筆:育成事業参加者 長嶋彩加、服部亜里沙、高橋真帆)
【シンポジウム概要】
日時:2025年12月13日(土)開場14:30 開始15:00(終了予定 17:30頃)
会場:代官山ヒルサイドプラザ(〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町29 ヒルサイドテラス内)
料金:1,000円(税込)(https://atak20251213symposium.peatix.com)
タイトル:「越境せよ、生存せよ。分断と国境を超えるアーティストの生存戦略」
登壇者:池上高志、今井慎太郎、梅津庸一、齋藤帆奈、布施琳太郎
司会:渋谷慶一郎
主催:アタック・トーキョー株式会社
助成:クリエイター支援基金